ベトナム金融投資家協会(VAFI)は、銀行の預金金利を段階的にゼロにすることで、貸出金利を引き下げて成長を促進することを提案した。
現在の預金金利3.5〜6.2%は他国に比べて高く、貸出金利の上昇につながるという。
VAFIは、ASEAN加盟国の短期預金金利はゼロ、ヨーロッパの一部の国ではマイナス金利(預金するために金利を払う)となっていることを例に挙げた。
しかし、一部の経済学者はこの提案を「不適切」だとしている。
カン・ヴァン・ルック氏は「ベトナムは他の国々よりもリスクが高いため、他の国々と金利を比較すべきではない」と述べた。
格付け会社S&Pによると、ベトナムの格付けはBBで「投機的」グレードに属しているが、フィリピンはBBB、タイはBBB+、マレーシアはA-で、いずれも「投資的」グレードに属しておりベトナムよりリスクが低い。
一般的に、リスクが高いほど金利は高くなるという。
もうひとつ懸念があり、それは「ベトナムのインフレ率が他国に比べて高いこと」だという。
「ベトナムの今年のインフレ率は3.5%と予想されている。このインフレ率でゼロ金利にすると、人々は株や不動産などの資産クラスに切り替えざるを得ず、製造業の資金や雇用創出のための資金が不足することになる」とルック氏は述べた。